2026-08-24
医療政策のキーワード「攻めの予防医療」
2026年7月21日に公表された「骨太の方針」に記載された「攻めの予防医療」がこれから薬局政策にどう影響を与えるのか気になるところです。広義で予防を捉えるなら「重症化予防」まで視野を広げておきたいところです。そして気になる「健康増進支援薬局」への繋がりについても考えてみたいと思います。
示されているビジョンを理解する
骨太の方針には「健康増進、肥満症を含む疾病予防、早期発見、早期介入及び行動変容に関係機関が連携して取り組む」、そして「地域住民の健康増進に資する薬局機能及び薬剤師の果たす役割の強化」と続きます。ここで示されている「健康増進に資する薬局機能」とは来年5月20日より始まる「健康増進支援薬局」を指しています。
個別具体的に「肥満症」という用語が出てきている点は注目すべきポイントです。後段には「循環器病・糖尿病を含む生活習慣病等の予防」と出てきます。「重症化=医療費増加」につながります。予防医療に取り組むとは、重症化を防ぐ、すなわち将来医療費の抑制とも言えます。そこに対し「攻める」ということは、将来の大きなリスクを回避するために、相応の対策(投資)を進めるということなのだと考えています。
健康増進支援薬局に求められる要件とは
健康サポート薬局から健康増進支援薬局に変わることで認定基準の見直しが行われますが、すでに公表されている施設要件等を見ると、従来の健康サポート薬局と多くは変わらないと考えています。人員配置基準においては薬剤師2名以上としていた要件を見直し、1名からでも認定取得可になったとみています。
【健康増進支援薬局の主な要件】
バリアフリー、シルバーフリーの構造、プライバシーへの配慮
医療提供施設、市町村保健センター、行政、介護サービス事業所等との連携体制
薬事に関する実務に従事する薬剤師による受診勧奨、医療機関紹介の体制
受診勧奨、医療機関紹介の際の情報提供と、その内容の記録・保存した実績
開局時間外であっても、相談に対応する体制
利用者の求めに応じ、健康増進支援活動を行うと共にその活動の記録・保存
薬局開設者が、薬剤師に対し利用者の健康保持増進に活用できる必要な支援体制を備える
要指導医薬品、一般用医薬品、衛生材料及び介護用品の提供体制
過去1年間の行政、医療提供施設、学会等と連携し健康増進支援活動をした実績
常勤薬剤師の半数以上が、継続して1年以上常勤として勤務している
常勤薬剤師の半数以上が健康の保持増進の支援に関する研修を修了している
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健康増進支援薬局の目標認定件数の明確化を
薬局認定制度に報酬がどう紐づいてくるのかは現時点ではわかりません。ただし国家戦略である骨太の方針に記載された意味が大きいです。一方で、健康サポート薬局は令和8年3月時点で3,592軒と普及しているとは言い難い状態です。
ただ注意が必要なことはお伝えします。「健康サポート薬局15,000軒が目標」というイメージの方が多いと思いますが、これは行政の正式な目標ではありません。日本薬剤師会が制度創設時に掲げた目標であり、公的な目標は「新経済・財政再生計画改革工程表」に記載された「2025年度までに2021年度と比べて10%増加(数にすると約3,260軒)」です。普及していないと思われていた健康サポート薬局は、実は政府目標を達成している状況にあります。
なぜこのような食い違いが起きたのか。その要因はわかり兼ねますが、薬局認定制度の再スタートに際し、目標認定件数を明確化し官民一体となって取り組むことが重要だと考えます。
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