2026-09-25
零売裁判は薬局側が敗訴、原告は控訴の意向
薬剤師が非処方箋薬を患者へ直接販売する「零売」に対し、薬局3社が国を相手取り起こしていた訴訟の判決が9月18日に東京地裁で下されました。改正薬機法の成立、施行により零売に対する規制強化がされる中、薬剤師の「地位確認」などを求める行政訴訟でしたが、東京地裁は「零売は『医行為』、医師の判断が前提」として、原告の訴えを棄却しています。
零売は医行為なのか、賛否は分かれる
今回の判決により「零売は医行為」と現時点では位置付けられました。それを妥当とするのかどうかは正直業界内でも賛否があるように思います。処方箋医薬品以外の医薬品の中には同一成分のOTC医薬品が存在するものも多く、OTCは薬剤師による販売が可能であり、「零売は医行為」であるため原則処方箋が必要というのは半ば強引な気もしています。
ただし、賛否ある中で私見を述べるなら、今回の判決は「妥当」というのが私の考えです。薬剤師による零売の権利を勝ち取るにあたり、法律を含めた複雑な整理が必要だと思っています。厚労省側も法律や省令ではなく、簡易に出せる通知や事務連絡での規制は「法的根拠がない」と指摘された事実をもとに今後の対応を考える必要があると思っています。
2027年5月20日改正薬機法の施行
9月18日の東京地裁の判決に対し、原告側は「不当な判決」として控訴する意向を示しています。しかしながら、すでに改正薬機法は成立しており来年5月20日の施行予定となっています。
施行されると、すべての医療用医薬品は原則処方箋が必要となり、零売については省令で定める「やむを得ない場合」にのみ限定されます。「それまでに間に合うのか」というのがこの裁判の焦点だと思います。今回の行政訴訟が提訴されたのが25年1月、判決が下されたのが26年9月です。裁判には時間がかかるのが通説です。
兎にも角にも法律、制度の整備が必要
時代の変化と共に、考え方も多様化しています。零売については「セルフメディケーション」という考えもあれば、「医療費抑制」、「病院に行かないで薬がもらえる」など、考え方が様々です。ではそもそも、「零売」とは何が目的なのでしょうか。「処方箋医薬品以外の医薬品」が存在する意味とは何なのでしょうか。
改正薬機法により「医療用医薬品は原則処方箋が必要」と見直しがされましたが、まだまだ不明確なものは零売に限らず医療分野では多くあると感じています。今回の訴訟により通知や事務連絡による規制の限界が見えた気がしています。医療のビジネス化が進む中で、法律や制度に求められる役割は一層強くなると考えています。
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