第60回 DPP-4阻害薬の便秘はなぜ起こるの?
Tags:GooCo 2024-04-19
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引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類” 薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!
今回はDPP-4阻害薬による便秘についてご紹介します。
結論から!DPP-4阻害薬の便秘は、【副次的な薬理作用による副作用】です。
DPP-4阻害薬は、DPP-4 酵素を阻害しインクレチン(GIP 、GLP-1)のDPP-4 による分解を抑制します。活性型インクレチン濃度を上昇させることにより、血糖値依存的にインスリン分泌促進作用並びにグルカゴン濃度低下作用を増強し血糖コントロールを改善します。
未だ解明されていない部分もありますが、GLP-1受容体は迷走神経下神経節に存在しています。消化管運動の一部は、迷走神経で支配されていることから、インクレチンの濃度が上昇し、刺激されることで、胃内容物の排泄や胃酸分泌が抑制され、便秘や腹部膨満感が起きると考えられています。
【服薬指導/フォローアップのポイント】
☑服用開始時の説明を忘れずに!
DPP-4阻害薬による便秘は、副次的な薬理作用によるものですが、投与初期に発現することが多いです。
体が薬に慣れてくることで改善することが多い症状ですが、自己判断で服薬を中断することのないよう、事前にしっかりと説明しておくようにしましょう。
☑ただし、腸閉塞に注意!
便秘は、重大な副作用である「腸閉塞」の症状である可能性もあります。
高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等、腸閉塞が疑われる場合は投与を中止し、適切な処置を行う必要があります。腸閉塞症例は、腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者さん等で認められていますので、既往歴もしっかりとチェックしましょう。
☑腎機能障害のある方は要注意
DPP-4阻害薬の多くは腎排泄型薬剤です。
便秘は副次的な薬理作用により起きる副作用の為、腎機能障害のある方では、特に注意しましょう!腎機能障害があり、腎機能が低下している方では用量調節が必要な薬剤です。
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