第54回 アシクロビルの腎障害はなぜ起こるの?
Tags:GooCo 2023-09-22
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引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!
今回はアシクロビルの急性腎障害についてご紹介します。
まずは、結論から!アシクロビルの腎障害は、【副次的な薬理作用による副作用】です。
抗ウイルス薬であるアシクロビルは、ヘルペス群ウイルス感染細胞内でウイルス誘導のチミジンキナーゼにより酸化されて活性型のアシクロビル三リン酸となり、ウイルスDNAポリメラーゼを阻害すると共にウイルスのDNAに取り込まれてウイルスのDNA鎖形成を阻害することでウイルスの増殖を抑制します。
アシクロビルによる腎障害は、脱水などの尿量減少により腎尿細管でのアシクロビルの濃度が溶解度を超え、結晶化したアシクロビルが尿細管を閉塞させることによって腎後性腎障害が起きると考えられています。
【服薬指導/フォローアップのポイント】
☑腎機能低下者に注意
⇒アシクロビルは腎排泄型薬剤のため、腎機能低下者・高齢者(加齢とともに腎機能低下)では常用量でも過量投与になることがあります。服用開始時は、腎機能に合わせた用法・用量となっているか確認する必要があります。併用薬にも注意が必要です。特にNSAIDs(腎血流量を減少)のように腎障害を起こしやすい薬剤を併用していないかしっかりとチェックしましょう。
☑脱水に注意!
乳酸アシドーシスは脱水時に起こりやすいです。
⇒腎機能低下者では脱水症状を起こしやすいため、こまめに水分補給をするよう事前に説明するとともに、尿量が少なくなったなど脱水による症状がないか服薬期間中のフォローを行うようにしましょう。
※アシクロビルの腎障害は一過性で、十分に水分を摂取すること、輸液投与により循環血漿量を上げること、尿への排泄を促すことにより重篤化を避けることができます。
☑高齢者に注意
①胃腸障害
高齢者では、加齢とともに腎機能が低下していることが多く、脱水症状も起こしやすいため、腎機能低下者と同様に用法・用量の調節や水分補給のアドバイスなど患者さんの状態を確認しながらフォローするようにしましょう。
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