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地域連携薬局を弁護士・薬剤師の赤羽根先生が解説
【電子薬歴GooCo】

Tags: |   2021-07-06

令和3年8月1日に施行される改正薬機法では、認定薬局制度が導入されます。
これは定められた条件に基づいて「地域連携薬局」または「専門医療機関連携薬局」として認定を受けられるというものです。
このページでは、2021年5月27日に中外合同法律事務所弁護士の赤羽根秀宜氏を講師に招いて行われた薬剤師力向上セミナー
「弁護士の赤羽根先生が解説!地域連携薬局、専門医療機関連携薬局」の概要をQA方式でまとめています。ぜひ参考にしてみてください。

Q.地域連携薬局、専門医療機関連携薬局の認定で何が変わりますか?

A.薬局は、定められた条件に基づいて「地域連携薬局」または「専門医療機関連携薬局」として認定を受けることで、「地域連携薬局」または「専門医療機関連携薬局」と称することができます。現行の「健康サポート薬局」も、「健康サポート薬局」である旨の表示ができるので、法的に薬局のメリットは似ています。

Q.「健康サポート薬局」と「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」の違いは?

A.表1にまとめてありますが、機能と手続きが異なります。
機能として「健康サポート薬局」は患者への取り組みを重視しているのに対し、「認定薬局」は他の医療機関とのつながりを重視しています。
手続きについては、「健康サポート薬局」は都道府県知事への「届出」が必要になります。つまり書類を揃え届出を行えば表示可能となるわけです。
一方、「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」は都道府県知事の「認定」が必要となりますので、不適とされた場合は認定を受けることができません。
認定が必要な分、認定薬局はハードルが高いと言えます。

表1

  機能 手続 効果
地域連携薬局 •他の医療提供施設と連携
•地域における薬剤等の適正な使用の推進
•効率的な提供に必要な薬学的知見に基づく指導等を実施するための機能
都道府県知事認定 称することができる
専門医療機関連携薬局 •他の医療提供施設と連携
•薬剤の適正な使用の確保のために専門的な薬学的知見に基づく指導を実施するために必要な機能
都道府県知事認定 称することができる
健康サポート •患者が継続して利用するために必要な機能
•個人の主体的な健康の保持増進への取組を積極的に支援する機能都道府県知事届出基準に適合するもの
都道府県知事届出基準に適合するものであることを明らかにする書類の添付 健康サポート薬局である旨の表示

(出典:赤羽根 秀宜先生「弁護士の赤羽根先生が解説!地域連携薬局、専門医療機関連携薬局」セミナー資料より一部抜粋・編集)

Q.「健康サポート薬局」と「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」を表示することによるメリットを教えて下さい。

A.平成30年12月25日厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会にて、
『患者が自身に適した機能を有する薬局を主体的に選択できるよう、薬局開設許可に加え、特定の機能を有する薬局を法令上明確にし、当該機能を果たしうる薬局であることを示す名称の表示を可能とすべきである。』
と話合いが行われています。今後患者が機能表示を見て薬局を選ぶ事になれば、メリットとなりますが、現在これらの表示を知る患者は少ないでしょから今後の課題といえるでしょう。

Q.「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」を取得することで、調剤報酬に上乗せ等の経営的メリットが追加されますか?

A.そもそも認定薬局制度は薬機法、調剤報酬は健康保険法で議論されるので別の議論です。
しかしながら国として薬局の在り方を「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」として示したので、今後この制度によって国民にメリットがあると判断された場合は、認定薬局の基準と同じではないかもしれませんが、それに似た加算制度が出てくる可能性はあります。
そのため、認定薬局をとらない薬局でも要件は意識しておきたいところです。

<セミナー終了後の聴講者からの質疑応答>

Q.設備投資をして※1無菌調剤室を持っている薬局と、紹介だけする薬局が同じ認定を受けられるというのは不公平感を感じます。これを解決するには金銭解決が良いのでは?と考えますが、患者1紹介あたり¥〇等の契約を結ぶことは可能でしょうか?

A.保険薬局においては、患者を紹介する対価を支払って自己の薬局で調剤を受けるよう誘引することが禁止されていますので、紹介された薬局が紹介料を支払うことはできません。
また、紹介をする薬局が対価を支払うことを想定しているかもしれませんが、紹介される薬局は患者の調剤を行う事で調剤報酬が受け取れますのでそれが利益となるので良いのでは?という指摘もあるのではないでしょうか。(いずれにしても難しい問題で、今後の議論では変更があるかもしれません。)

※1 「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」の要件に、無菌製剤処理を実施できる体制とあり、無菌調剤が自薬局にて実施不可の場合、実施可能薬局を紹介すること等の対応でも差し支えないとされました。

Q.常勤(正社員)薬剤師1名、その他パート薬剤師数名といった薬局では、パート薬剤師も常勤薬剤師としてみなせるのでしょうか?

A.地域連携薬局の要件では「当該薬局に常勤として勤務している薬剤師の半数以上が、当 該薬局に継続して一年以上常勤として勤務している者であること」等の規定があります。この『「常勤」は、原則として、当該薬局に週当たり 32 時間以上勤務、「継続して1年以上常勤として勤務」は、認定申請又は認定更新申請の前月までに継続して1年以上常勤として当該薬局に勤務している場合が該当するもの。』とありますので、パート社員であってもこの要件に該当すれば常勤に該当すると考えられます。常勤については、産休などの場合についてQ&Aが示されていますので、今後さらにQ&Aが示される可能性もあります。

Q.今、薬局で行うべきことを教えて下さい。

A.先にも申し上げたように、「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」「健康サポート薬局」を称さなくても機能に準じた加算制度が出てくる可能性はあります。また、これらの薬局は国や国民が期待しているサービスを提供しているため、このような制度ができたととも考えられますので、認定をとらないとしても、この要件は意識し、今のうちから、患者が薬局を継続利用しやすい取り組みや他の医療提供施設との連携は行っておくべきです。

※要件などの詳細については、通知などをご確認ください。
※このQ&Aは、2021年5月27日のセミナー開催時の解釈です。今後、新たな解釈等が示される可能性があります。

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薬剤師業務の広がりと高度化をサポートする電子薬歴GooCoなら、「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」を支える仕組みや機能が充実しています。ほんの一部をここでご紹介します。

例えば、地域連携薬局の認定申請では、過去1年間において、その薬局の薬剤師から医療機関に対して月平均 30 回以上の報告が求められ、指定の書式に実績を記載することになります。

地域連携薬局 認定基準適合表

(出典:厚生労働省 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行について(認定薬局関係)より一部抜粋)

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弁護士・薬剤師 赤羽根 秀宜氏Q&A回答者:弁護士・薬剤師 赤羽根 秀宜氏
中外合同法律事務所 薬事・ヘルスケア・医療グループ代表/弁護士・薬剤師
日本病院薬剤師会顧問、小児治験ネットワーク中央治験審査委員会委員
帝京大学薬学部非常勤講師、一般社団法人薬局共創未来人材育成機構理事
一般社団法人スマートヘルスケア協会理事
株式会社グッドサイクルシステム社外取締役
株式会社ソフィアホールディングス社外取締役

弁護士・薬剤師 赤羽根 秀宜氏

Q&A回答者:弁護士・薬剤師 赤羽根 秀宜氏
中外合同法律事務所 薬事・ヘルスケア・医療グループ代表/弁護士・薬剤師
日本病院薬剤師会顧問、小児治験ネットワーク中央治験審査委員会委員
帝京大学薬学部非常勤講師、一般社団法人薬局共創未来人材育成機構理事
一般社団法人スマートヘルスケア協会理事
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株式会社ソフィアホールディングス社外取締役

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