第71回 アトモキセチンによる血圧上昇はなぜ起こるの?
Tags:GooCo 2025-05-26
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今回はアトモキセチンの血圧上昇についてご紹介します。
まずは、結論から!
アトモキセチンによる血圧上昇は、【副次的な薬理作用による副作用】です。
選択的ノルアドレナリン再取込み阻害薬のアトモキセチンは、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療剤として使用されています。
AD/HDとは、脳の機能的な障害が原因と考えられる発達障害の一つで、著しい不注意、多動性、衝動性といった中核症状が見られます。AD/HDではノルアドレナリンの働きが関係しており、ノルアドレナリンが少ないことによって症状が現れると考えられています。
明確な機序は不明ですが、選択的ノルアドレナリン再取込み阻害薬は、選択的にノルアドレナリントランスポーターに結合し、ノルアドレナリン再取り込みを抑制することにより、シナプス間隙中のノルアドレナリンを増加させ、神経系の機能を亢進するものと考えられています。
アトモキセチンによる血圧上昇は、シナプス間隙のノルアドレナリンが増加し、交感神経が亢進され末梢血管が収縮することで起こります。
また、ノルアドレナリンは、心臓のβ1受容体を刺激し心筋を収縮させ、心拍数を上昇させるため、その結果としても血圧が上昇します。
【服薬指導/フォローアップのポイント】
☑現病歴・既往歴に注意!①(重篤な心血管障害のある患者)
血圧又は心拍数を上昇させ、症状を悪化させるおそれがある為、重篤な心血管障害のある患者さんでは禁忌です。
心血管障害のある患者さんに投与する際は、循環器を専門とする医師に相談するなど、慎重に投与の可否を検討する必要があります。
☑現病歴・既往歴に注意!②(高血圧又はその既往歴のある患者)
症状を悪化又は再発させるおそれがあります。
☑併用薬に注意①(β-受容体刺激剤)
併用により、β-受容体刺激剤の心拍数、血圧上昇作用が増強するおそれがあるので、注意が必要です。
☑併用薬に注意②(昇圧作用を有する薬剤 ドパミン塩酸塩等)
併用により、上記薬剤の血圧上昇作用が増強するおそれがあるので、注意が必要です。
☑定期的に数値を確認しよう!(血圧・心拍数)
心血管系に対する影響を観察するため、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に、血圧及び心拍数(脈拍数)を測定すること。とされています。
副作用有無の確認の為、薬剤師も血圧・心拍数の推移を確認するようにしましょう!
副作用発現リスクが高い患者さんには、より注意して確認しましょう!
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