第57回 甲状腺ホルモン製のうっ血性心不全はなぜ起こるの?
Tags:GooCo 2024-02-01
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引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!
今回は、甲状腺ホルモン製剤の重大な副作用でもあるうっ血性心不全についてご紹介します。
まずは、結論から!甲状腺ホルモン製剤のうっ血性心不全は、【副次的な薬理作用による副作用】です。
添付文書の『重大な副作用 うっ血性心不全』の項に、「うっ血性心不全があらわれることがある。このような場合には過剰投与のおそれがあるので、減量、休薬等適切な処置を行うこと。」と記載されていることからも、薬理作用の過剰発現であることが判断できます。
甲状腺ホルモン製剤は、核内の甲状腺ホルモン受容体と結合して、甲状腺ホルモンを補充します。
甲状腺ホルモンは、カテコラミンに対する心筋の感受性を亢進させ、心収縮力の増強、心拍数の増加、心筋の不応期短縮、房室伝導の亢進を生じます。心房筋の不応期の短縮は心房細動の発生に寄与し、房室伝導の亢進は心房細動時の頻脈形成に関与します。このような心臓への過度な負担から心機能が低下し、うっ血性心不全が発現するおそれがあります。
このため、心・血管系に障害のある患者さんが服用する際は特に注意が必要です。
【服薬指導/フォローアップのポイント】
☑合併症・既往歴の確認を忘れずに!
狭心症、陳旧性心筋梗塞、動脈硬化症、高血圧症等の重篤な心・血管系の障害がある患者さんには注意しましょう。基礎代謝の亢進による心負荷により、病態が悪化するおそれがあります。
⇒低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する必要があります。
☑併用薬に注意
交感神経刺激剤
甲状腺ホルモンがカテコールアミン類のレセプターの感受性を増大すると考えられています。
⇒交感神経刺激剤の作用を増強し、冠動脈疾患のある患者さんに併用すると冠不全のリスクが増大するおそれがあるため、併用する際は服薬期間中の体調変化を確認するなど慎重に投与するようにしましょう。
☑服用開始時の説明と服薬期間中の体調変化確認を!
うっ血性心不全リスクの高い患者さんでは特に、服薬期間中は、「動くと息が苦しい」、「疲れやすい」、「足がむくむ」、「急に体重が増えた」、「咳とピンク色の痰」など、うっ血性心不全の徴候がないか、定期的に確認しましょう。
⇒甲状腺ホルモン製剤の副作用でこのような症状があることを患者さん自身が知らないと、せきや息切れなどで受診し、感冒や気管支喘息と診断され心不全と確定診断されるまでに時間を要し、心不全が進展してしまうかもしれません。
⇒患者さんにも、事前にしっかりと自覚症状を伝え服薬期間中の体調変化に気づいてもらえるようにしましょう。
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