第49回 副腎皮質ホルモン剤の高血糖はなぜ起こるの?
Tags:GooCo 2022-01-11
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引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性の分類されるのか?
どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!
今回は副腎皮質ホルモン剤の高血糖についてご紹介します。
まずは、結論から!副腎皮質ホルモン剤の高血糖は、【副次的な薬理作用による副作用】です。
副腎皮質ホルモン剤は主に体内で生成される糖質コルチコイドであるコルチゾール(ヒドロコルチゾン)を元に造られた製剤です。
コルチゾールは様々な作用をもち、糖の代謝、タンパク質代謝、脂質代謝、骨の代謝など多くの生体内反応に関与しています。コルチゾールの主な作用としては、抗炎症作用、免疫抑制作用、細胞増殖抑制作用、血管収縮作用などがあります。
副腎皮質ホルモン剤はコルチゾールとほぼ同様の作用をあらわすことで、内分泌疾患、関節リウマチなどの自己免疫疾患、気管支喘息などのアレルギー性疾患、白血病などの血液疾患など様々疾患や症状で使用されます。
副腎皮質ホルモン剤が糖代謝に影響を及ぼす機序は、
①糖新生系の酵素を誘導し、肝臓での糖新生亢進
②糖新生に必要なアミノ酸や脂肪酸の筋肉や脂肪組織から肝臓への流入促進
③筋肉や脂肪組織での糖利用抑制
④グルカゴン、カテコラミンの肝細胞での糖新生亢進
⑤膵臓でのグルカゴン分泌促進とインスリン分泌抑制
などがありますが、①の肝における糖新生亢進が主な高血糖の原因であると考えられており、インスリン抵抗性を反映し高インスリン血症が認められる場合が多いです。
さらに直接的なホルモン作用と食欲亢進により内臓肥満を起こし、インスリン抵抗性を間接的に惹起します。
副腎皮質ホルモン剤による血糖値の変化は午後から夕方に上昇する傾向にあり、空腹時血糖は比較的低く、食後の高血糖が特徴です。
採血を早朝空腹時で行なっていると見逃される場合があります。HbA1c、食後の血糖値、尿糖を測定し、早期発見できるようにしましょう。
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