電子薬歴GooCoの株式会社グッドサイクルシステム
CORPORATE SITE

薬局お役立ち情報 - 副作用機序別分類を極めよう!

第43回 バルプロ酸ナトリウムの高アンモニア血症はなぜ起こるの?

Tags:  2021-10-28

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性の分類されるのか?
どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!

今回は、バルプロ酸ナトリウムの重大な副作用である高アンモニア血症についてご紹介します。

まずは、結論から!バルプロ酸ナトリウムによる高アンモニア血症は、【副次的な薬理作用による副作用】です。

バルプロ酸ナトリウムは、脳内GABA濃度、ドパミン濃度の上昇とともに、セロトニン代謝を促進することが認められています。抗てんかん作用はバルプロ酸ナトリウムによる神経伝達物質の作用を介した脳内の抑制系の賦活作用に基づくと推定されています。また、抗躁作用および片頭痛発作の発症抑制作用についてもGABA神経伝達促進作用が寄与している可能性が考えられています。

バルプロ酸ナトリウムによる高アンモニア血症は、不明な点が多いがですが、バルプロ酸ナトリウムによる薬剤性カルニチン欠乏症が関与しているとする報告が多く挙げられています。

バルプロ酸ナトリウム代謝の過程でプロピオン酸、バルプロイル-CoAが増加し、尿素サイクルにおいて重要な酵素カルバミルリン酸合成酵素Ⅰ(CPS-Ⅰ)の活性が阻害されます。その結果、カルニチン低下となり、中鎖脂肪酸のミトコンドリア内への取り込み低下によりβ-酸化が抑制され、アンモニアが上昇すると考えられています。

バルプロ酸ナトリウムによる高アンモニア血症は、頻度は少ないものの、重篤な転帰を取ることもあるため、早期の対応が重要です。

バルプロ酸ナトリウムの服用開始より高アンモニア血症が発見されるまでの期間は,急性中毒を除けば数ヵ月から10 年以上で、またその症候も昏睡や意識障害から無症状の例まであり、その期間や症候は症例により大きく異なると報告されています。

他の抗てんかん薬との併用は、高アンモニア血症のリスクを高めるため、定期的にアンモニア値を測定するなど、細心の注意が必要です。また、発熱時、嘔吐、下痢を伴う流行性疾患でも、高アンモニア血症をおこしやすいので、注意しましょう。

高アンモニア血症では、嘔吐、気分不良、なんとなくボーッとするなどの症状があらわれるよ。
投与初期だけでなく、長期間服用している方にも定期的に体調変化を確認するようにしましょう!

<<第44回 メトホルミンの消化器症状はなぜ起こるの?

第42回 ニューキノロン系抗菌薬の痙攣はなぜ起こるの?>>

研修認定1単位 無料オンラインセミナー

Knowledge

副作用機序別分類を極めよう!

第67回 ARNIの血管浮腫はなぜ起こるの?...

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。 “副作用の起こる発生機序 3つの分類” 薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?どのような事に活用できるか?具体的に...続きを読む

2024-11-28

第66回 プレガバリンのめまい・傾眠はなぜ起こるの?...

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。 “副作用の起こる発生機序 3つの分類” 薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?どのような事に活用できるか?具体的に...続きを読む

2024-11-05

第65回 NSAIDsのアナフィラキシー様症状はなぜ起こるの?...

引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。 “副作用の起こる発生機序 3つの分類” 薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?どのような事に活用できるか?具体的に...続きを読む

2024-09-25

Seminar
Service

グッドサイクルシステムの「薬局業務の効率化」や「サービスの向上」を図る製品サービス

投薬後フォローとスマホ決済 Followcare

Followcare

服薬フォローアップ&オンライン服薬指導対応ツールです。電子薬歴とLINEの連携で二重作業なく服薬フォローアップが行えます。リフィル処方せん・オンライン服薬指導・服薬フォローアップに必要な機能が揃います。

GooCoPOSを見る

保険薬局専用POSレジ GooCoPOS

GooCoPOSは、レセコン接続対応だけでなく、セルフメディケーション税制に対応した保険薬局専用のPOSレジです。正確な現金管理で、未集金管理を1日150円で導入いただけます。

MAPs for PHARMACY DX

MAPs for PHARMACY DX

MAPs for PHARMACY DXは、レセコン・電子薬歴の枠を超えた次世代薬局業務支援システムです。薬局のDXを実現することで時代の変化とニーズの多様性へ対応し、患者の健康をサポートします。

>