第35回 SGLT2阻害薬のケトアシドーシスはなぜ起こるの?
Tags:GooCo 2021-10-28
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引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性の分類されるのか?
どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!
今回は、SGLT2阻害薬の重大な副作用であるケトアシドーシスについてご紹介します。
まずは、糖尿病ケトアシドーシスについて確認しておきましょう。
NSAIDsの主な効果は、炎症がある局所におけるプロスタグランジン(prostaglandin;PG)の産生阻害です。
糖尿病ケトアシドーシスは、糖尿病の高血糖性の急性代謝失調で、インスリンが欠乏したり、コルチゾル・アドレナリンなどのインスリン拮抗ホルモンが増えると、インスリンの作用が弱まって急に発症します。
インスリンが不足すると、血液中のブドウ糖を代謝できなくなり、高血糖状態になります。すると、体はその代わりに脂肪を分解してエネルギーをつくり出します。このときに副産物としてつくり出されるケトン体が血液中に急に増える(ケトーシス)ことで、血液が酸性になり(ケトアシドーシス)、体に異常が発生するというしくみです。
1型糖尿病患者さんはインスリンを体内で作ることができないため、ケトアシドーシスのリスクがもともと高く、糖尿病ケトアシドーシスの多くは1型糖尿病でみられます。
糖尿病ケトアシドーシスの発症機序をおさえたところで、SGLT2阻害薬によるケトアシドーシスについてみていきましょう。
結論から!SGLT2阻害薬のケトアシドーシスは、【副次的な薬理作用による副作用】です。
SGLT2阻害薬の作用機序である尿中グルコース排泄促進作用により、脂肪酸代謝が亢進しケトーシスがあらわれ、ケトアシドーシスに至ると考えられています。
通常、糖尿病ケトアシドーシスは高血糖になりますが、SGLT2阻害薬を服用している場合は高血糖でなくともケトアシドーシスがあらわれることがあるため、気づくことが遅れてしまう可能性があります。
また、SGLT2阻害薬を併用している1型糖尿病患者さんにおいてインスリン製剤を減量する場合、ケトアシドーシスのリスクが高まります。しっかりチェックしていきましょう!
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