第12回 H1受容体拮抗薬の眠気はなぜ起こるの?
Tags:GooCo 2021-10-28
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引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?
どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!
今年も花粉症のシーズンがやってきました。今回は、H1受容体拮抗薬の眠気についてご紹介します。
結論から!皆さんご存じの通り、H1受容体拮抗薬の眠気は【薬理作用による副作用】です。
NSAIDsの主な効果は、炎症がある局所におけるプロスタグランジン(prostaglandin;PG)の産生阻害です。
では、眠気の起こる作用機序について把握していますか?眠気・倦怠感などH1受容体拮抗薬による精神神経系症状について、詳しくみていきましょう!
H1受容体拮抗薬は、ヒスタミンとH1受容体との結合を競合的に阻害し、アレルギーの原因であるヒスタミンの作用を抑制することで抗アレルギー作用を示します。
H1受容体は中枢神経にも存在しています。ヒスタミンが中枢神経に存在するH1受容体に結合することで覚醒や興奮が保たれています。H1受容体拮抗薬により、ヒスタミンのH1受容体への結合が阻害されると中枢神経系が抑制され、眠気・倦怠感などが起こります。
第一世代のH1受容体拮抗薬は脂溶性が高く血液脳関門を通過しやすいため、これらの副作用の頻度が高いです。第二世代のH1受容体拮抗薬は、カルボキシル基など親水性官能基が導入された結果、中枢への移行性が低下し副作用が出にくくなっています。
また、中枢神経に存在するヒスタミンH1受容体は、痙攣の抑制系に関わっています。H1受容体の遮断作用が強く発現する事により、痙攣の抑制系が抑えられなくなり、痙攣が起きてしまうこともあります。
GABA(γ-アミノ酪酸)などによる中枢神経の抑制系が十分に発達していない乳幼児では、ヒスタミン系が神経の抑制系として働いています。特にてんかん素因のある小児や脳内の神経細胞の未熟な乳幼児ではけいれん等を誘発するため注意が必要です。
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