第6回 スピロノラクトンの女性化乳房はなぜ起こるの?
Tags:GooCo 2021-10-28
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前回に引き続き、副作用機序別分類の具体例をご紹介していきます。
“副作用の起こる発生機序 3つの分類”薬理作用・薬物過敏症・薬物毒性のどれに分類されるのか?
どのような事に活用できるか?具体的に紹介していきます!
今回は、「スピロノラクトンによる女性化乳房」についてです。
結論から!スピロノラクトンによる女性化乳房は、【副次的な薬理作用による副作用】です。
抗アルドステロン性利尿・降圧剤であるスピロノラクトンは、アルドステロン拮抗作用により、ナトリウム及び水の排泄を促進し、カリウムの排泄を抑制することで効果を発揮します。(詳細は、添付文書 薬効薬理の項をご確認下さい)
しかし、スピロノラクトンはアルドステロン受容体だけでなく、よく似た構造の「アンドロゲン(男性ホルモン)」や「プロゲステロン(女性ホルモン)」受容体にも結合してしまいます。そのため、長く使い続けていると、男性では女性化乳房、女性では月経不順や多毛などの副作用を起こすことがあります。
ちなみに、エプレレノンはアルドステロン受容体への選択性が高くなっています。そのためエプレレノンはスピロノラクトンで見られるような性ホルモン関連の副作用が少ないのが特徴です。
ある保険薬局での事例をご紹介します。
スピロノラクトン服用中の男性患者さんが、「おっぱいが痛い」と訴えて整形外科を受診しました。原因が分らず湿布が処方になりました。処方箋を応需した薬局では、患者さんから伺った症状からスピロノラクトンによる女性化乳房の可能性を疑いました。
そこで、スピロノラクトン処方元の医療機関へ“スピロノラクトンによる女性化乳房の可能性”について服薬情報提供を行いました。次回受診時より、スピロノラクトンが中止になりました。
患者さんに伺ったところ、スピロノラクトン服用中止後、「おっぱいが痛い」は治まったとのことです。
薬理作用による副作用の為、比較的頻度の高い症状です。投与初期から発現することは少ないですが、継続して服用している患者さんへは注意が必要です。
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